Solventless Coating 溶剤塗装

お悩み解決!塗装設計の事例紹介

お悩み解決!塗装設計の事例紹介

Case01

お客様のお悩み

冬に屋外で使用する製品ですが、塗装されているものの融雪剤の付着や製品同士が接触して塗装が剥がれたところから錆が発生して、1シーズンだけで錆だらけになってしまうんです・・・。

他社の提案

融雪剤には塩分が含まれるため錆は発生しやすいです。コストはかかりますが、現行の塗料で重ね塗りし、膜厚を厚くすることで問題を解決出来る可能性があります。
ヒバラの解決策

提案内容

現行の下塗り溶剤塗装、上塗り溶剤塗装の仕様から、ヒバラコーポレーションでは下塗りにカチオン電着塗装、上塗りに粉体塗装を提案しました。
この塗装仕様に変更することで、下塗り塗装で防錆性を向上させ、上塗り塗装で耐候性と耐衝撃を向上させることが可能になります。

結果

提案した塗装仕様でお客様に試作品を製作して頂きました。その後カチオン電着+粉体仕様で塗装した製品をエンドユーザ様に1シーズン使用して頂きましたが、明らかにカイゼンされていることを体験して頂きました。
現在ではカチオン電着+粉体を標準塗装仕様としてお客様の仕様書に登録頂きました。

担当者からのコメント

最初の試作でカチオン電着を行ったところ、製品の隙間からカチオン電着の塗料が入り込んだようで、乾燥炉で熱を加えた際に塗料が沸騰して噴き出してきました(笑) お客様が設計担当だったこともあり、カチオン電着の塗料を抜くための「液抜き」を設計図面に反映して頂きました。
これによりカチオン電着塗料の溜まりもなくなり、提案した塗装仕様で処理出来るようになりました。結果的に提案させて頂いた塗装仕様により問題を解決出来ましたが、その裏では「決してあきらめることなく」、製品の設計変更含みお客様と一緒に取り組んだ成果だと感じております。
Case02

お客様のお悩み

コイルの鉄心と電線を絶縁するため、現状熱収縮チューブで対応しています。熱収縮チューブではマスキングもあり加工に1本/Hrかかるため、塗装(塗膜)で絶縁することは出来ないでしょうか。

他社の提案

絶縁塗料で塗装することで、コイルの鉄心と電線を絶縁することが可能です。但し、マスキングが必要な部分があり、更に絶縁塗料は特殊塗料になるためコスト的に高くなってしまいます。
ヒバラの解決策

提案内容

コイル鉄心と電線間の耐圧が500V以上必要とのことで、カチオン電着、又は粉体の塗装仕様を提案しました。カチオン電着塗装では膜厚のコントロールがum(ミクロン)オーダーで
調整が可能なこと、粉体塗装では1回の塗装膜厚が厚膜化でき、容易に絶縁を取れることから、この2仕様で耐圧試験を行うことを提案しました。

結果

カチオン電着塗装で膜厚を25um塗装し、どの程度耐圧があるのか茨城県工業技術センタで試験を行いました。その結果、膜厚25umでも500Vの耐圧が出ることを確認出来ました。粉体塗装においても耐圧は問題ありませんでしたが、コイル鉄心との塗膜密着性を考慮し、最終的にカチオン電着塗装仕様で製品実装し、エンドユーザ様からも合格を頂きました。

担当者からのコメント

カチオン電着塗装の塗膜を電気的な絶縁膜として適用するのは当社でも初めての試みであり、製品に適用出来るのか不安はありました。但し、茨城県工業技術センタで耐圧試験を進めていく中で、試験結果からも絶縁膜として使用できることをデータ的にも立証することが出来ました。現在は耐圧500V仕様で処理していますが、コイル鉄心の新モデル品では、更に耐圧を上げる必要があるとの要望がありましたので、カチオン電着塗装50um仕様の適用を開始しました。カチオン電着塗装で50umを塗装するのは難しい技術ですが、ヒバラコーポレーションでは既に製品適用しております。
Case03

お客様のお悩み

真空装置に供給するエアタンクですが、タンク内面が塗装されていないため経年劣化で錆が発生してしまい、フィルターの目詰まり、及びメタルコンタミを起こしてしまうんです。

他社の提案

エアタンクを新調してフィルター交換頻度を上げるか、グラスファイバー製の強化プラスチック等のエアタンクに切り替えることを推奨致します。
ヒバラの解決策

提案内容

エアタンクの外面は塗装されていますが、タンクの内面は無塗装の仕様が一般的です。タンク内面の防錆性を上げるためには、エポキシ樹脂による内面塗装を提案しました。
塗装方法としては、吹き付けによる溶剤塗装、又はエアタンクを塗料槽に浸漬させて塗装するカチオン電着塗装を提案しました。

結果

外面の塗装色と内面の塗装色を同色にしたいとの要望がありましたので、エアタンク内面に溶剤エポキシ樹脂塗装を行いました。塗装後、エンドユーザ様でエア供給試験を行い、
フィルターの目詰まりやメタルコンタミがないことを確認頂きました。設置後数年経過しますが、既設無塗装エアタンクと比較しても良好な結果が得られました。

担当者からのコメント

当初お客様からタンク内面粉体塗装の要望もあったのですが、タンク内面はファラデーケージ効果により粉体塗装は適用出来ないとお答えしました。それを立証するため、お客様立会いのもとタンク内面に実験で粉体塗装を行い、粉体塗料が内壁に塗着せずに流れ落ちてしまう現象を実際に確認して頂きました。今回は溶剤の吹き付け塗装で対応しましたが、次にエンドユーザ様から依頼があった際は、カチオン電着によるエアタンク内面塗装をTryすることにしました。タンク内面にカチオン電着塗装するノウハウと実績が、ヒバラコーポレションにはあります!

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