Zinc Phosphate Coating リン酸亜鉛皮膜

リン酸亜鉛皮膜

リン酸亜鉛皮膜処理とは?

金属の塗装には、見た目をよくするだけではなく、金属を腐食から守るという重要な目的があります。そして、腐食を防ぐためには均一に塗膜が密着するよう塗装する必要があるのです。この塗装作業を確実にするために欠かせないのが、「前処理」です。前処理には主に、金属の汚れや皮脂を落とす「洗浄」と、塗膜が密着しやすく、はがれにくくするように特殊な皮膜で覆う「化成処理」の2段階があります。
ヒバラコーポレーションではこの「化成処理」として、「リン酸亜鉛皮膜処理」を行います。リン酸亜鉛皮膜処理を施すことで、耐食性・密着性を大きく向上させることができ、塗装および被塗物本体の寿命を延ばすことができるのです。

リン酸亜鉛皮膜処理の3つの特徴

1.優れた耐食性

粉体塗装は一度の塗装で最大150ミクロンにおよぶ塗膜を形成することができます。これは一般的な溶剤と比較すると、4~5倍程度の厚みに相当します。さらに塗膜自体の強度が極めて高いため、キズがつきにくく、耐熱性・耐油性にも優れています。そのため、自動車部品、ガードレール、スチール家具、エクステリア用品など、過酷な使用状況を予想される製品に多く利用されています。

2.優れた密着性

リン酸亜鉛皮膜は2~3㎎/m2(1~2um)で素材表面形成され、非常に緻密な結晶になります。この緻密な結晶により下塗り塗料とのアンカー効果を生み、素材表面と下塗り塗料の密着性が格段に向上します。

3.歴史のある表面処理手法

1970年代後半には自動車業界でもスプレーからフルディップのリン酸亜鉛皮膜処理に切り替わりましたが、現在も表面処理の主流であり、非常に長い歴史と実績のある表面処理手法になります。

リン酸亜鉛皮膜処理の長所と短所

長所
  • 耐食性に優れている
  • ライン実績が多い
  • 各種塗装に対応
短所
  • スラッジ発生が多いため、産廃費・メンテ工数がかかる
  • 重金属を多く含有しているため、環境負荷が大きい

リン酸亜鉛皮膜処理の適応素材

SPCC:冷延鋼板、SPHC:熱延鋼板、SECC:電気鍍金鋼板、他

リン酸亜鉛皮膜工程

リン酸亜鉛皮膜工程では、まず塗装する金属の表面に付着している油分を除去するためのアルカリ脱脂作業、錆を除去するため除錆作業を行います。この作業により金属表面に不純物がなく、活性化した状態の金属表面にリン酸亜鉛皮膜を形成していきます。形成されたリン酸亜鉛皮膜は緻密な結晶で、非常に防錆性が高く、下塗り塗料との密着性を飛躍的に向上させます。その一方で、リン酸亜鉛反応時の副生成物(スラッジ)が多く、高品質ではありますがランニングコストが高くなります。

リン酸亜鉛皮膜に関するよくある質問

Q屋外へ設置する製品ですが、リン酸(鉄)塩処理でよいのでしょうか?
A屋外へ設置する製品はリン酸(鉄)塩よりも、リン酸亜鉛処理を推奨します。
Q鉄以外の素材も処理可能ですか?
Aはい、処理可能です。また、素材に合わせて最適な前処理条件をご提案致します。
Q前処理(リン酸亜鉛処理)だけの依頼でも対応出来ますか?
A対応は可能ですが、塗装までの一貫で依頼頂いた方が品質は安定致します。
Q大きいサイズの製品でも対応可能でしょうか。
Aはい、大型処理槽で対応可能ですので、お気軽にお問合せ下さい。
Q処理時間(工数)はどれぐらいかかるのでしょうか。
A前処理は7槽あり15分/槽の処理ですので、2時間弱で処理可能です。

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